学びのミカタ

学びのコラム⑰

バックナンバーはこちら

子どもの社会性を育むかかわりとは

前回は、養育者のかかわりの質と子どもの社会能力を客観的に評価することができる「かかわり指標」についてご紹介しました。「かかわり指標」では、養育者のどのような行動が子どもにとって望ましいとされているのでしょうか。養育者について評価する領域は下に挙げた5つです。それぞれに9つの詳細なチェック項目が含まれていますが、ここでは一部を紹介しています。それぞれの領域について、注意すべき養育者のかかわりを見てみましょう。

主体性発達への配慮:子どもの主体性を促す働きかけをするかどうか。
子どもがやろうとしていることを見守る姿勢があるか。子どもが課題をしようとしているのを妨げたり、否定的なことを言ったりしていないか。

応答性発達への配慮:子どもの応答性を促す働きかけをするかどうか。
課題をするとき、まず子どもの注意をひいてから教えているか。子どもとアイコンタクトをとりやすい位置にいるか。課題中、子どものほうに関心を向け、よそ見をしたりしていないか。

共感性発達への配慮:子どもの共感性を促す働きかけをするかどうか。
子どもをほめるか。子どもとアイコンタクトをとったり、微笑み合ったりしているか。

認知発達への配慮:子どもの認知発達を促す働きかけをするかどうか。
指示は具体的なものになっているか。課題道具の色や形などについて言及するか。

社会情緒的発達への配慮:子どもの情緒発達を促す働きかけをするかどうか。
子どものことを悪く言ったり、怒鳴ったり叩いたりしないか。

最近、子どもと一緒にいる時にもスマホに夢中になっている親、子どもが話しかけてもすぐ返事をしない親(スマホの通知音にはすぐに反応するのに!)、忙しくて笑顔を忘れがちな親をよく見かけます。お子さんと一緒にいる時にはお子さんのすることに関心を向け、あたたかく接する、というとても基本的なことが、やはりお子さんの発達に重要であることがわかります。

診断はこちら