学びのミカタ

学びのコラム⑩(子どものウソ①)

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こどもの「ウソ」について① ごまかすことも成長のしるし

「ママ、ボク障子なんか破いてないから、こっちの部屋には入らないでね!」
「おねしょなんかしてないよ!これは、汗なの。」

3、4歳ごろから、自分の失敗をごまかしたり、自分に都合の悪いことを隠そうとするような、大人のウソに近いものがみられ始めます。「これを見逃していたらウソつきになってしまうのでは?」と心配になって、「どうしてそんなウソをつくの!」と責めたり、「ウソをついてはいけません!」と叱ってしまったりすることがあるかもしれません。でも、発達心理学の立場から見ると、ウソをつくということは、他者の視点に立ったものの考え方ができるようになり、「どうすれば相手に気づかれずにすむか」、「どうすれば相手に事実とは異なる話を信じさせることができるか」ということを子どもなりに考えられるようになったことを示しています。つまりウソをつくということは、ヒトならではの高度な社会的認知能力が育っているしるしなのです。(このように、他者の気持ちを推測する能力は心理学で「心の理論(Theory of Mind)」と呼ばれ、さかんに研究されています。)

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