学びのミカタ

学びのコラム⑪(子どものウソ②)

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こどもの「ウソ」について② ごまかすことも成長のしるし

前回に引き続き,「ウソをつく」ことの意味について,発達心理学の立場から解説します。

前回,「ウソをつく」ということは,他者の気持ちや考えを推測して,事実とは異なる事柄を信じさせようとする社会認知能力の発達を必要とすることをお話ししました。それに加えて,「ウソをつく」ということは子どもの「自我」の発達を示しているともいえます。お父さん・お母さんや周りの人たちとは違った自分自身の考えを持ち,他人に侵入されたくない自分の世界ができはじめたということです。この時期の子どもは,(前回の冒頭の例のように)それほど強く意識してウソを言っているわけではありません。なので,ここで大人が「ウソは絶対ダメ!」と頭ごなしに叱りつけたりしたら,子どもはそんな大人との間に壁を作り,自分の領域を守るためにさらにウソをつくようになるかもしれません。

子どものウソを叱る前に,「どうしてそんなウソをついたのかな?」ということを考え直してみるのも良いでしょう。良い子に思われたい,ほめられたい,という気持ちから,事実ではないにもかかわらず「クラスで自分だけ先生にほめられた」「かけっこで1番になった」といったウソをいうこともあります。子どもがウソをつかなくても自分に自信を持ち,自尊心を保てるよう,ありのままのその子の良いところをほめるようにしましょう。また,主体性を持ったひとりの人間として,子どもにも他人に入ってきてほしくない自分の世界があるのは当然です。そんな子どもの世界に踏み込み過ぎていないか,振り返ってみましょう。

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