学びのミカタ

学びのコラム⑯(子どもの健やかな育ち…①)

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子どもの健やかな育ちを支えるかかわり方とは

子育てをしていると,「自分の子どもへのかかわり方は,これでいいんだろうか」,「子どもが健やかに育つためには,どうかかわればいいんだろう」と考える親は多いようです。今回は,子どもの心の健やかな育ちを支えるかかわり方について,「かかわり指標」をもとにご説明します。

「かかわり指標」とは

かかわり指標(Interaction Rating Scale;IRS)は,養育者のかかわりの質と子どもの社会能力のさまざまな側面を,国際的に比較可能な形で精度高く,容易に測定できる指標です。積木やスティッキーなど,日常的なおもちゃを使って年齢相応より少し難しい課題に親子で取り組む場面を観察し,その中での養育者のかかわりの質を行動面から評価します。研究者だけでなく,保育士や家裁調査官など実践の場で働く専門家が活用しており,親のかかわりの良いところや改善すべき点をすぐにフィードバックできることが利点です。
かかわり指標は,0‐8歳の子どもと養育者に適用できるIRSのほか,3‐18 歳の子ども同士のやり取りを測定するInteraction Rating Scale between Children (IRSC),15歳以上を対象としたInteraction Rating Scale Advanced (IRSA)もあります。詳しくは 次のサイト をご参照ください。

「かかわり指標」で測定された養育者のかかわりの質は,お子さんの主体性や共感など,近年「非認知能力」として注目されている心の発達と関連していることが,数多くの研究によって明らかになっています。次回は,「かかわり指標」の概要を紹介しながら,どのような行動が子どもへのかかわりとして望ましいとされているのか,みていきたいと思います。

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