学びのミカタ

学びのコラム㉓(子育てストレス②)

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子育てにおけるストレスとの付き合いかた

育児ストレスが高まると

 ストレスは必ずしも悪いものばかりでなく、適度なストレスは意欲や向上心を増強させるといわれています。しかし、過剰な育児ストレスを経験することは、心の健康状態を悪化させることにつながります。憂鬱な気分になるばかりでなく、「被害的認知」といって、思い通りにいかない出来事や相手の行動を、「自分を困らせようとしている」、「自分のことを嫌っている」などといった捉え方になることがあります。この被害的認知は子どもへの虐待行為の要因の1つと考えられています。このように、育児ストレスが高まると、自分自身の健康状態だけではなく、子どもにも望ましくない影響を及ぼす可能性があります。

 では、どのような人が、どのような状況で育児ストレスが高まりやすいのでしょうか。これまでの研究によると、経産婦よりも初産婦のほうが育児ストレスがより高くなりやすいようです。また、就労状況による違いも報告されていて、専業主婦や産休・育休中の方は働いている人と比べて育児ストレスが高くなるといわれています。母親の個人的な要因だけではなく、パートナーをはじめとする家族との関係性も重要です。自身の子育てが周りの人から理解されていないと感じたり、孤独感を多く感じることも育児ストレスが高まる原因の1つです。つまり、このような方々には特に配慮が必要ということになります。
次回は、育児ストレスを高めないために、どのようにすればよいかについてお話します。

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