食育のミカタ

食のコラム㉒

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和食のススメ③(出汁のはなし)

 日本が世界にほこる『和食』。その和食を支えているのが今回お話したい『だし』です。『だし』とは、肉や野菜、乾物などを煮出したもので、料理のベースになるものです。日本の『だし』は素材の良さを引き出すことにあると言われ、下味としての役割もすれば、出汁自体が主役となるような役割もし、変幻自在に和食に使われます。だしの種類はかつお節と昆布が一般的ですが椎茸や煮干しなども使われます。

 だしを使うとなぜ料理がおいしくなるのか。カギを握るのは「うま味」です。昆布にはグルタミン酸、かつお節や煮干しにはイノシン酸、干し椎茸にはグア二ル酸があり、「三大うま味成分」と言われます。前回、五味の話をしましたが、「うま味」はそれらと同じ味覚の一つで『味』のことです。『美味しい』という感覚的なものではないのです。具体的な説明が難しいですが、だしを口に含んだ時に感じる深いコクやまろやかな味わいが「うま味」です。

 上手に『だし』を活用することで色々な料理を楽しむこともできますし、しっかり『だし』をきかせることで塩分を控えることもできます。他にもかつお節や昆布、干し椎茸、煮干しなどには素材ごとに豊富な栄養素が含まれており健康効果も期待できます。3回にわたって『和食』についてお伝えしましたが、まだまだ和食の素晴らしさは語りつくせません。和食は世界に誇れる食文化です。和食離れが進んでいる今こそ、改めて和食について見直して頂きたいです。

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