食育のミカタ

食のコラム④

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食の安全について①

子どものころ、楽しみにしていたお菓子を地面にうっかり落としてしまったとき、『3秒ルール』で拾って食べたことはないでしょうか。

『3秒ルール』とは食べ物を地面に落として3秒以内に拾えば細菌に汚染されず食べても安全であるという迷信です。世界各国にも『5秒ルール』『10秒ルール』と秒数を変えて存在します。『もったいない』という気持ちからの行動だと思いますが、素早く拾って食べれば安全なのかというと全く安全ではありません。
『3秒ルール(5秒ルール、10秒ルール含む)』は迷信であり、アメリカの食品科学者はこの事について研究し論文も発表していて、地面に落ちた瞬間に大量の細菌が付着し、食品によって細菌の増え方に違いがあるが『3秒ルール』は成り立たないとしています。

土壌にはボツリヌス菌・ウェルシュ菌・セレウス菌など、皆さんも聞き覚えのある細菌が存在し、それらの細菌が付着した食品を食べてしまうと食中毒になる可能性があります。拾い食いは問題外ですが、調理していても細菌が死滅せず、付着した食べ物を食べてしまうと下痢や嘔吐、腹痛などの食中毒症状を発症してしまいます。細菌だけでなくウイルスや化学物質、自然毒等で起こる食中毒、調理時だけでなく、暮らしの様々な場面のちょっとした油断から食の安全は脅かされてしまうのです。では、食中毒を防ぐためにはどうすればいいか。次回をお楽しみに。