学びのミカタ

学びのコラム(やる気①)

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近年、教育や子育ての場面で「非認知能力」が注目されています。今回は非認知能力の中でも意欲(=やる気)と自己肯定感を取り上げて,それらを育むヒントについて3回に分けてご紹介します。

習い事をとおして意欲を養うやる気を引き出す執筆:藤戸麻美 監修:矢藤優子)

習い事は、技を習得したり目標を達成したりとお子さんの自信につながる一方で、なかなか思うように上達しないというような状況ではつらい思いをすることもあります。また、自分とほかの人との差に気づき、自分はできていないと感じると、落ち込んだり恥ずかしくなったりするものです。

習い事を継続する中で、やる気がなくなったりモチベーションを保てなくなったりすることはつきものです。そのような場合には、お子さんの頑張りや良いところを伝えてあげることが、お子さんのやる気につながっていくかもしれません。具体的には、「25メートル泳げるようになった」というような結果ではなく、「毎日練習している」というようなプロセスや、「丁寧に描いている」というようなお子さんの気質や人格などに言及することで、お子さん自身が“できた・できていない”を評価されているのではなく、“取り組みや頑張り”を見てくれていると感じると、もう少しがんばってみようかなというモチベーションへつなげてあげられるでしょう。実際、スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックは、頭の良さを褒められた子どもよりも努力の過程を褒められた子どもの方が、失敗を恐れずに新しいことに挑戦したり失敗しても根気強く努力したりすることを明らかにしています。また、そのような声掛けにより、子どもが自分では気づかなかった自身の成長や小さな成功に気づいていくことによっても意欲を引き出すことができるでしょう。