学びのミカタ

学びのコラム(やる気②)

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習い事をとおして意欲を養う②モチベーションを保つ(執筆:藤戸麻美 監修:矢藤優子)

前回は子どものやる気を引き出すための親のかかわり方についてご紹介しました。今回は、お子さんのやる気を継続させる方法について紹介したいと思います。

人の意欲には2種類あり、外発的動機付けと内発的動機付けと呼ばれています。前者は試験に合格してゲームを買ってもらえるから、サボると叱られるからなどの外部からの働きかけによるやる気を指します。後者は、習い事に対する興味や面白さなどの内面的な要因によるやる気を指します。
多くの場合、内発的動機付けによって動いているときの方が、集中力が高く良い結果を出すことが知られています。外発的動機付けが悪いわけではなく、むしろまったくやる気のない場合には有効な方法です。その後外発的動機付けを内発的動機付けに変えることが、習い事を楽しく続けられるコツになると言えます。そしてその方法として褒めが有効であることが心理学実験によって証明されています。
アメリカの心理学者エリザベス・ハーロックは、小学生にテストを実施し、結果に関わらず褒める・叱る・何も言わないの3つの条件で、その後の成績がどうなるのかを調べました。その結果、褒められたグループのみで学習が促進されました。ここでより効果的なのは、結果ではなく努力の過程を褒めることです(詳しくは前回の内容をご覧ください)。

さて、内発的動機付けにはよく知られたアンダーマイニングという興味深い効果があります。これは、やる気のある人に報酬を与えることで、かえって物事そのものへの意欲を失ってしまうことを言います。当然子どもにも同じことが言えますので、お子さんがやる気に満ち溢れて楽しんで取り組んでいるときには、そっと見守る方法でやる気の継続を手助けしましょう。